私が関わらせて頂くお客様の共通点として“デキる女”であることが挙がってくる。仕事もできるし、理解力も高くて、リーダー的存在の方も多い。そんな人たちが恐れているのが「できない」ということ。そして、同時に「できるようになるべき」だと思っている。
よく、できる人に嫉妬するのはそれが自分にもできることだ、と言われているけれど、私は案外そうでもないなと感じている。実際にできることよりも「できそう」なことだから嫉妬するんだと思う。
できそうなこと、つまり、まだやっていないこと。
できそうなことは、やってみると、できるかもしれないしできないかもしれない。(当たり前だけど笑)実際にやってみて万が一「できないこと」に分類されてしまうと都合が悪い。だからやらないまま「できそうゾーン」に保管しておくことで一応のプライドは保たれる。だけど嫉妬の材料にもなっていく。
なにか「できること」を豊かなものだと思いがちで、できないことは悪だとしてしまう人が多いけれど、「できないこと」だって立派な宝だ。そして自分にとってできないことを知るというのは妄想や嫉妬を削ぎ落し、より自分という存在を明確にしてくれる。
人には、できないこともあれば、やればできるけれどもやりたくはないこと、というのもある。
私にとってそれは一人旅だった。一人で様々なところへ出かけては楽しそうにしている友人を見ては「そうあれたらいいな」と嫉妬めいた感情を抱いていた。心のどこかではきっと私には向いていないだろうなとは思っていても、やったこともないのにできないとは言いたくなかった。自ら「できない」というのが格好悪い氣がして。
だからやってみた。数年前に一人で沖縄へ旅をした。
結果。
全く楽しくなかった(爆笑)
でも、これで堂々と「私は一人旅できません」と言えるようになった。やればできるかもという焦りも無くなったし、一人旅という選択肢自体が消えた。
やっぱりこれが私という人間よねと、できないを知ることが豊かな氣持ちを生んでくれた。やらずに嫉妬するくらいなら、さっさとやってガッカリすればいい笑。やっぱりできなかったかー、と手放してしまえばいい。
競争の世界を卒業するとすべてが輝いて見えるはず。